2012/02/29

2012年2月の運用成績

2012年2月の運用成績は以下の通りとなりました。

※上記パフォーマンスは、「売買手数料・税引後配当・譲渡益税込み、資金追加時は数値を修正」という条件で算出しています。

(基準価格推移)
※TOPIXは2004年末の数値を基準価格10,000としています。

(ポートフォリオ)
※組入比率上位順。

・今月の売買
売り
2229 カルビー(利益確定)
3711 創通(一部利益確定)
6750 エレコム(一部利益確定)
7867 タカラトミー(一部損失確定)
9384 内外トランスライン(利益確定)

買い
2438 アスカネット(新規)
2769 ヴィレッジヴァンガード(新規)
3395 サンマルクHD(新規)
4659 エイジス(新規)
4917 マンダム(新規)
6675 メルコホールディングス(新規)
6750 エレコム(買い増し)
7730 マニー(新規)

今月はTOPIXに完敗、iFundは大差でアンダーパフォームしています。TOPIXが単月で10%以上上げた月は、私が株式投資を初めた以降では、2005年9月の10.99%と2008年4月の12.01%に続く3回目となっています。年初から新興小型株への切り替えを進めていたため、この流れには完全に乗り遅れていますが、ここで方針を曲げて新興小型株が上がってしまったら目も当てられないので、ここはじっと我慢して大型株が上がっていくのを指をくわえて眺めつつ新興小型株でよい銘柄がないか物色しています。

上記方針に基づき、いくつかの銘柄を打診買いしました。買った銘柄は上に記載の通りで、いずれも従来のスクリーニング条件で買い付け基準を満たし、足元の業績推移が順調かつ株価が堅調に推移しているものを選んで買い付けています。特に2769ヴィレッジヴァンガードについては打診買いした直後に急騰し10%以上値上がりしてしまいましたが、まだ指標的に買えない水準では無いので業績推移を見つつ買い増していく予定です。その他の銘柄についても既存保有銘柄の利益確定などでキャッシュ比率が20%を超えていますので、この中からいくつかの銘柄を選んで買い増しして行く予定です。

また、細かいところまでご覧になられている方は気付かれているかもしれませんが、先月の運用成績のエントリより、今までTOPIXの次にベンチマークとしていたJASDAQ Indexを外してひふみ投信さんの運用成績を載せさせていただいております。1月に参加したひふみさんのセミナーや2月に読んだ藤野さんの本に強い影響を受けたことから、今年からひふみ投信さんをTOPIXに続くベンチマークとさせていただくこととしました。

2012/02/12

『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』

移転後初めての投資関連書籍のエントリです。ブログエントリをサボっていた間も一応投資関連の本は読んでいましたが、「日本株」投資に関する本を読むのは久しぶりです。今回読んだのはひふみ投信ファンドマネージャー藤野さんのこの本です。

日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。 22年勝ち残るNo.1ファンドマネジャーの超投資法日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。 22年勝ち残るNo.1ファンドマネジャーの超投資法
藤野 英人

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藤野さんの本に関しては過去に『スリッパの法則』や『ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義』などを読んでいますが、直接投資について言及している本を読むのは初めてだったのでワクワクしつつ一晩で一気に読んでしまいました。

序盤の効率的市場仮説やアクティブ運用がインデックス投資に勝てないと言われる理由、インデックス投資のフリーライド問題についてはすでにいろいろな書籍やブログで語られていることですので詳細は割愛しますが、私も著者と同じくアクティブ運用はインデックス投資に勝てると考えて個別株に投資しています。

インデックス投資を否定した所で次に問題となるのがどのような会社に投資すべきかという点になるのですが、私はこの点に関しては個々人の努力や才能、センスによってかなり銘柄選択や手法が変わってくると考えていますので、割安な時点で買うという点以外の要素(企業の成長性、投資の社会的意義など)については実地で経験を積んで自分にあった手法を身につけるしかないと思っています。もっと極端なことを言えば、投資に割ける時間や労力、個々人の得意分野は自分にしかわからないことですし、市場平均に勝つということ(或いは絶対利益を追求すること)を第一義とするのであれば、どのような銘柄をどのように売買するかについては原理原則など無いと私は考えています。

私が一番興味深く読んだ部分は後半の日本株の今後の見通しに関してでした。私はマクロな視点から経済を見ることがどうも苦手で、マーケット全体の予想を行うことを避ける傾向があるのですが、著者の日本株が世界的に割安な水準で放置されている、昨年の東日本大震災以降日本人のリスクに対する考え方に大きな変化が起きている、日本発のコンテンツが海外でも通用する時期が来るといった見通しについては、私が尊敬している個人投資家のぱりてきさすさんや五月さんも同じような意見をお持ちのようで、日本の個別株投資をメインにしている私にとって心強く感じられました。

私は特に愛国心が強いというわけでは無いのですが、日本で生まれ育ち、今後もおそらくこの国で生きていくであろうことを考えると、どうせリスクを取るのであれば日本株でリスクを取りたいと考えていますし(特に東日本大震災以降は)、多少(ではないかもしれませんが)の困難があってもこの国は上手く乗り越えていくのではないかと楽観的に考えています。

最後に。この本では明らかにバリュー投資と思われる手法が勧められているのですが「バリュー投資」という単語は一切出てきませんでした。バフェットの「バリュー投資」という言葉は冗長だという話を思い出しつつ、バフェットやグレアムの門下生達が実践してみせた投資手法を強く意識しているのかなと感じました。

ご参考:グレアム・ドッド村のスーパー投資家たち-(ウォーレン・バフェット)